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症例報告
𦙾骨顆部insufficiency fractureの3例
著者: 川﨑展1 田中宏道1 河野公昭1 竹田智則1 小林靖幸1
所属機関: 1西日本病院整形外科
ページ範囲:P.1075 - P.1077
文献購入ページに移動症例は全例女性,年齢はそれぞれ72,78,83歳であった.全例明らかな外傷がなく,骨折は生理的外力で生じたと考えられた.初診時,𦙾骨顆部に圧痛を認めるも,X線像上明らかな骨折線は認められなかった.MRIで初めて骨折と診断した.3~4週の経過で骨折部にX線像上骨硬化像が出現した.免荷と安静にて3例とも元の歩行レベルに回復した.1例は経過中に膝内反変形を生じた.全例とも原発性骨粗鬆症の診断基準(日本骨代謝学会)を満たしていた.高齢者で誘因のない急激な膝痛の診断に際しては本症も念頭に置いた注意深い診察が必要である.
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