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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻9号

2001年09月発行

文献概要

症例報告

股関節周囲に発生した骨化性筋炎の1症例

著者: 寺井智也12 辺見達彦1 兼松義二1 藤井幸治1 三代卓哉1 酒井紀典1 四宮禎雄3

所属機関: 1健康保険鳴門病院整形外科 2現:赤穂市民病院整形外科 3赤穂市民病院病理部

ページ範囲:P.1091 - P.1094

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 抄録:症例は26歳女性,誘因なく右股関節痛が出現し,疼痛,硬い腫瘤を主訴に当科受診.外傷の既往,スポーツ歴はなし.初診時,右股関節前面に圧痛,腫脹,5×5cm大の硬い腫瘤を触知し,腫瘤に可動性はなく,右股関節は疼痛のため可動域は著明に制限されていた.初診時,単純X線像では,右股関節周囲には明らかな所見は認めなかった.3週後のX線像にて右股関節部に骨性陰影を認めた.CTで内部がlow densityで環状に層状構造を示す骨化像のzone phenomenonを認めた.股関節の可動域制限の改善を目的として腫瘤の切除を施行した.病理学的には病変の辺縁部には細胞成分に乏しく,分化成熟した骨梁が認められた.骨化巣切除後1年の現在,再発傾向もなく可動域も正常に改善している.明らかな外傷歴はなく骨化性筋炎を生じ,右股関節に可動域制限を来した1例を経験した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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