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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻9号

2001年09月発行

文献概要

症例報告

採血時神経損傷の2例

著者: 杉本義久12 藤田享介1 高山真一郎3 岡崎真人3

所属機関: 1さいたま市立病院整形外科 2現:清水市立病院整形外科 3慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1095 - P.1097

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 抄録:採血の際にしびれや放散痛を生じ,長期間愁訴が持続することがあるが,これまでこのような症例に対しては,積極的な治療がなされていなかった.今回,注射針による内側および外側前腕皮神経損傷の2例に対して観血的治療を経験した.受傷後,2週および5カ月で局所を展開したところ,静脈近傍の皮神経にperineurial windowと呼ばれる神経周膜の損傷によるヘルニアが確認された.われわれが行ってきたperineurial windowの基礎的研究に基づき,神経剥離後windowを拡大するように神経周膜を切開した.注射針によってもこのようにperineurial windowが生じ,持続的な障害が起こりうることを認識し,事故が発生した場合には慎重に対応にすべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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