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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻1号

2002年01月発行

文献概要

シンポジウム 足関節捻挫後遺障害の病態と治療

緒言 フリーアクセス

著者: 今給黎篤弘1

所属機関: 1東京医科大学整形外科

ページ範囲:P.6 - P.7

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 最近ではスポーツの裾野はますます広がりを見せ,若年者だけではなく,中高齢者に至るまで幅広く活動されています.その中で以前受傷した足関節捻挫の後遺症に悩みながら,痛みを我慢してスポーツを続けている人も少なくありません.バスケットボールの選手(日本リーグ)の約7割が6回以上の複数捻挫を経験していたという報告もあります(杉本ら,2000).捻挫は関節が外力により過度の運動を強制された場合に生じた関節の靱帯,関節包,皮下組織などの損傷が認められるものの,骨格の適合性は正常であります.一般に,患者は足関節捻挫は靱帯断裂とは別として考えることが多いようであります.そしてX線写真に骨折がないと簡単に考え,治りも早いものと考えがちです.しかし実際は関節の軟部支持組織の損傷で骨折よりも治りにくいこともあり,きちんとしたインフォームドコンセントがないと誤解や不信を招くこともあり得ます.
 足関節捻挫の治療は,ギプス,テーピング,サポーターを使用した保存療法が主体でありますが,重症例で陳旧となったものでは靱帯移行,人工靱帯,または骨切りなどの機能再建を目的とした手術療法が必要となります.いずれにしても初期治療が大切で,損傷の拡大や腫脹を防ぎ,一次障害を最小に防止することです.初期治療にはICE処置(Ice:水冷,Compression:圧迫,Elevation:挙上)またはRICE(Rest:安静+ICE)が有効であります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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