文献詳細
シンポジウム 足関節捻挫後遺障害の病態と治療
文献概要
要旨:距骨下関節不安定症の診断で,ストレスX線撮影や関節造影,MRIなどが行われるが積極的に診断できる方法はない.筆者は本症の原因である距踵骨間靭帯損傷を距骨下関節鏡を行うことにより診断している.侵襲性であるが現在最も精度の高い診断法である.治療も同様に距骨下関節鏡視下に靭帯再建を行っている.現在のところ,46例48足(経過観察期間1年以上)に行っているが,全例疼痛は改善し,可動域制限は生じていない.再断裂を生じた例はない.従来,本症に対する手術法は頚靭帯の再建が行われてきたが可動域制限が生じていた.人工靭帯による再建後の再鏡視でも,2例を除いて全例とも何らかの再生靭帯で被覆されていた.よって,鏡視下距踵骨間靭帯再建術は距骨下関節不安定症に対して有用な方法と考える.
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