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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻1号

2002年01月発行

文献概要

シンポジウム 足関節捻挫後遺障害の病態と治療

足根洞症候群の臨床像

著者: 杉本和也1 秋山晃一2 田中康仁2 高倉義典2 藤田烈3

所属機関: 1済生会奈良病院整形外科 2奈良県立医科大学整形外科 3松阪中央総合病院整形外科

ページ範囲:P.29 - P.33

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 要旨:足根洞症候群の診断で治療を行った症例のうち誘因が明らかな121患者(121足)を対象とした.診断は足根洞外側開口部に疼痛があり,同部位への局麻剤の注入で,一時的あるいは永続的に症状が改善したものとした.誘因と考えられたのは足部捻挫103例,他の足部外傷7例,明らかな外傷歴がないもの11例であった.男性40名,女性81名で平均年齢は32.6歳(10~70歳)であった.足根洞への注射は1~14回,平均3.5回行い,78例において症状の消失あるいは改善を得た.注射の効果に不満のあった43例に手術を行った.その結果,症状の消失20例,改善19例,不変4例で誘因別の差は認めなかった.距骨下関節造影では距骨下関節の軟部組織損傷がみられたが,MRI撮影では明らかな骨間距踵靱帯や距骨頚靱帯の断裂像はみられなかった.手術で摘出した組織は脂肪,繊維組織,滑膜から成り,塩化金染色にて豊富な神経終末が観察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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