icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻1号

2002年01月発行

文献概要

シンポジウム 足関節捻挫後遺障害の病態と治療

足関節機能的不安定性の病態

著者: 石井朝夫1 坂根正孝3 佐藤彩乃4 落合直之1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系整形外科 2 3茨城県立医療大学整形外科 4筑波大学医学研究科

ページ範囲:P.35 - P.40

文献購入ページに移動
 要旨:足関節機能的不安定性は足関節捻挫後に生じる最も一般的な後遺障害である.症状は足関節の不安定感であり,頻回の捻挫を繰り返す.機能的不安定性と靱帯不安定性や臨床所見との関連性をχ2乗検定により検討すると,機能的不安定性と最も強い関係にあったのは足根洞の圧痛であり,機能的不安定性群は多くの例で外傷後足根洞症候群を発症していると考えられた.腓骨筋の伸張反射である腓骨筋反応時間は,機能的不安定性群で健常群に比し有意に遅延していたが,足根洞の局注により正常化しそれに伴い不安定感も消失した.足根洞の炎症による侵害受容体などの興奮が,γ運動ニューロンを介して腓骨筋トーヌスを低下させる病態を想定すると,この結果を合理的に説明できる.機能的不安定性は,腓骨筋トーヌスの低下により不安定感を自覚し,足部協調運動が障害され,頻回の捻挫を繰り返す病態であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら