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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻1号

2002年01月発行

文献概要

臨床経験

手関節単関節炎に対する生検術の診断上の意義

著者: 中川夏子1 阿部修治1 大森裕1 木村浩1 居村茂明1

所属機関: 1(財)甲南病院加古川病院整形外科

ページ範囲:P.87 - P.90

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 抄録:手関節単関節炎に対して,慢性関節リウマチ(RA)の初発症状である可能性や,結核性関節炎を含む感染性関節炎である可能性を考えて,診断のために生検術が行われることも多い.今回,1992年4月より1999年12月までに当科にて生検術を行い,その後の臨床経過を追跡し得た9例を対象として調査を行った.その結果,血液学的所見およびX線所見は必ずしも最終診断と見合うものではなかった.細菌学的には全例で陰性であった.RAを疑った5例のうち,最終的にRAとなったのは4例であった.単関節炎の診断は必ずしも容易ではないが,病理組織所見は特異性炎症の鑑別や,RAの予後について貴重な情報を提供するものと考える.病理組織所見からRAを強く疑う場合は,注意深い経過観察を行いながら,積極的にRAに対する治療を考慮すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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