icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻1号

2002年01月発行

文献概要

症例報告

上腕骨偽関節に対する有茎血管柄付き肩甲骨移植の1例

著者: 三浦一志1 藤哲1 工藤悟1 坪健司2

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科 2青森市民病院整形外科

ページ範囲:P.103 - P.106

文献購入ページに移動
 抄録:上腕骨骨幹部横骨折は時にその回旋不安定性のため偽関節となり治療に難渋することもある.今回上腕骨偽関節症例に対し,angular branchを血管柄とした有茎肩甲骨移植を施行し良好な骨癒合が得られたので報告する.症例は76歳,男性,交通事故にて受傷した.右上腕骨骨折に対し2度の骨接合術を施行されるも骨癒合が得られず,angular branchを血管柄とした有茎肩甲骨移植を施行した.骨折部の固定には髄内釘を用いた.術後6週より仮骨の形成がみられ,術後13カ月にて骨癒合が完成し治療を終了した.
 Angular branchを血管柄とした肩甲骨移植は,肩甲回旋動脈との組み合わせにより骨弁,皮弁,筋皮弁を様々な組み合わせで使用でき,長い血管柄が得られるため皮弁,骨弁の到達自由度が大きい.同側の上腕骨中央部までは有茎で届くため微小血管吻合が不要であり,同部への骨移植法として有用な方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら