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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻10号

2002年10月発行

文献概要

論述

腰椎変性すべり症の臨床所見の検討―単椎間すべりと多椎間すべり,前方すべりと後方すべりの比較

著者: 真鍋道彦123 井口哲弘12 栗原章12 山崎京子12 佐藤啓三12 笠原孝一12 西田康太郎12

所属機関: 1神戸労災病院整形外科 2勤労者腰痛センター 3現:高槻病院整形外科

ページ範囲:P.1153 - P.1159

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 抄録:種々の形態の腰椎変性すべりを分類し,その特徴的な臨床症状と所見を調査した.対象は腰下肢症状のため受診した3,259例のうち腰椎変性すべりを認めた183例である.これらを単椎間すべりと多椎間すべり,単稚間および多椎間での前方すべりと後方すべりに分類し,その症状を比較した.多椎間すべりは単椎間すべりより筋力低下が強く,低下した筋の数も多かった.単椎間すべりのうち前方すべりは下肢痛・しびれが最も頻度が高かったが,後方すべりでは腰痛が主であった.痛みの部位では前方すべりは殿部や下腿の疼痛が優位で,後方すべりは大腿部痛が多く,殿部痛は少なかった.また前方すべりでは,反射や筋力低下などの神経学的異常の頻度が高かったのに対し,後方すべりでは少なかった.本調査により種々の腰椎変性すべりにおける症状の差異が明らかとなった.各型の特徴に合わせた治療法の選択を考える必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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