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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻10号

2002年10月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

片側脊柱筋群を温存した椎弓形成術

著者: 細野昇1 坂浦博伸1 山崎勇二2 清水広太2 佐藤巌1 向井克容1 多田浩一2 吉川秀樹1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科) 2関西労災病院整形外科

ページ範囲:P.1161 - P.1166

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 抄録:椎弓形成術においては時に術後のアライメント悪化や不安定性出現が認められる.これを克服するべく片側の傍脊柱筋を温存した椎弓形成術を考案したので術式を紹介し初期成績を報告する.片開き式椎弓形成術(C3~7)を基本にした.蝶番側では傍脊柱筋をほとんど剥離せず,その隙間に超音波硬組織メスを挿入して側溝を作成した.本術式を施行した24例が対象で,観察期間は平均25.0カ月(17~30),経時的に単純X線,CTを施行した.アライメント変化,すべり出現は各1例に認めたが,いずれも程度は軽かった.4例において拡大した椎弓の戻りをわずかに認めたが,これによる症状はなかった.従来の後方要素温存法は筋や棘突起をいったん切離して再建する方法であり,再建部の癒合に不確実性が残る.本法では筋肉・棘突起・その接合部をそのまま温存しているので,術直後から筋肉の力が棘突起を介して有効に頚椎に働くという利点を有している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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