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整形外科/知ってるつもり
SAPHO症候群
著者: 大類広1
所属機関: 1国立療養所米沢病院整形外科
ページ範囲:P.1188 - P.1190
文献購入ページに移動SAPHO症候群は,synovitis,acne,pustulosis,hyperostosis,osteitis syndromeの頭字語であり,骨関節病変と皮膚病変により構成される症候群である.
従来より,前胸部に好発する無菌性の肥厚性骨病変の存在が知られており,胸肋鎖骨肥厚症,chronic sclerosing osteomyelitis,condensing osteitis of the clavicle,Tietze's syndromeなどの名称で呼ばれていた.このような骨関節病変は,脊椎,仙腸関節,四肢の関節にもみられ,ときに血清反応陰性脊椎関節症と類似した病変を示す.一方,慢性反復性多発性骨髄炎chronic recurrent multifocal osteomyelitis(CRMO)と呼ばれる疾患が報告されている8).この疾患は,小児期や青年期に,長管骨の骨幹端などに異時性,多発性,しばしば左右対称性の硬化性骨病変を生じ,局所の疼痛,腫脹,発熱などを伴うものである.これらは,しぼしば掌蹠膿疱症,膿疱性乾癬,痤瘡acneなどの皮膚病変を合併する11).Windomらは,1961年,acne conglobataと関節炎の関係を報告し,佐々木は,1967年,両側鎖骨の骨髄炎と掌蹠膿疱症の合併した症例をはじめて報告した10).
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