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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻10号

2002年10月発行

文献概要

症例報告

RA環軸椎不安定性に伴う環軸椎部後方腫瘤により頚髄症を呈した1例

著者: 高橋英也12 菅原修1 白川久統1 津村敬1 入江徹1 森末昌諭1 末松典明1

所属機関: 1北見赤十字病院整形外科 2現:小林病院整形外科

ページ範囲:P.1219 - P.1223

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 抄録:症例は75歳女性,ムチランス型のRA stage Ⅳ class 3で立位,歩行不能,坐位保持困難.神経学的所見は両手および下腿に末梢優位の知覚鈍麻,四肢の広範な筋力低下,上肢深部腱反射,膝蓋腱反射の亢進,右Babinski反射が認められ高度な頚髄症を呈し,JOAスコア5点であった.X線所見はRanawat値6mm,ADI前屈7mm後屈5mm,atlantoaxial angleは前屈0°後屈12°であった.MRIでは軸椎椎弓の腹側にT1低信号T2高信号の腫瘤を認めた.治療は後頭骨から第7頚椎までの後方整復固定を施行し,術後15カ月の臨床症状は,独歩可能となり経過良好である.環軸椎部後方の椎弓間部の腫瘤により脊髄を後方から圧迫した例は極めて稀である.環軸椎後方椎弓間部の腫瘤の発生機序は環軸椎不安定性が環椎軸椎間膜にたわみを生じさせ,慢性的な刺激が靱帯肥厚,腫瘤形成に関与していると推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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