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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻10号

2002年10月発行

文献概要

症例報告

開放性距骨完全脱臼の1例

著者: 渡辺隆洋12 石田博英1 柳橋寧1

所属機関: 1八雲総合病院整形外科 2現:市立釧路総合病院整形外科

ページ範囲:P.1231 - P.1234

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 抄録:非常に稀な開放性距骨完全脱臼の1例を経験したので報告する.症例は52歳の男性で,自動車の助手席に乗車中に運転手が急ハンドルを切った際,車外に投げ出され,その直後に横転した車の下敷きになり受傷し,同日当科外来に搬送された.初診時に左足部外側の開放創より遊離はしていないものの距骨が完全に脱出しているのが確認された.このため直ちに洗浄とデブリードマンならびに距骨を整復した.術後は距骨の無腐性壊死発生を調査するためにMRI撮影を行った.術後早期にはT1強調画像でlow intensity,T2強調画像でhigh intensityと壊死を疑わせる所見が認められた.しかしながらこれが経過とともに変化し,術後10カ月経過時にはMRI上明らかな壊死を疑わせる所見を認めなかった.本症例では距骨への血行は途絶していると考えられるが,受傷後早期に脱臼を整復しており,これが壊死を生じなかったひとつの要因である可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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