臨床整形外科37巻10号

2002年10月発行

症例報告

後十字靱帯に発生した膝関節内ガングリオンの1例

著者： 中前敦雄¹ 出家正隆² 小林健二² 安本正徳² 新田泰章¹ 生田義和²

所属機関： ¹済生会広島病院整形外科 ²広島大学医学部整形外科

ページ範囲：P.1241 - P.1243

　抄録：膝十字靱帯に発生するガングリオンは比較的稀である．今回われわれは後十字靱帯（PCL）に発生したガングリオンの1例を経験した．症例は25歳の女性．主訴は左膝痛と屈曲障害．MRIにてPCLガングリオンと診断し，後内側アプローチを併用した鏡視下切除術を施行した．術後，疼痛や可動域制限は消失し，MR像上もガングリオンの残存・再発を認めていない，PCLガングリオンの鏡視下切除術では関節内後方部分の十分な観察が必要であり，後内側ポータルからの鏡視は有用であった．