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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻12号

2002年12月発行

文献概要

論述

高齢者頚椎症性脊髄症の手術成績

著者: 三谷誠12 鷲見正敏1 池田正則1 向井宏1 黒石昌芳1

所属機関: 1国立神戸病院整形外科 2現:神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1389 - P.1394

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 抄録:70歳以上の高齢者頚椎症性脊髄症に対する手術症例のうち,術後1年以上経過した症例の手術成績とそれに影響を与える因子について調査検討した.対象は92例(男性50例,女性42例)で,手術時年齢は平均74.4歳(70~87歳)である.JOAスコアは術前7.4±2.8点が,術後1年で12.1±2.8点へと有意に改善していた.平均2年6カ月の調査時においても11.6±3.0点と軽度の低下傾向を認めたが,良好な成績が維持されていた(改善率:平均44.2%).脳梗塞など頚椎以外の合併症で成績が悪化した症例は9例(9.8%)であった.X線学的所見ではC3/4,C4/5椎間が不安定性を示し,これらの椎間が脊髄症発現の責任高位になっている症例が多く認められた.成績を左右する因子は罹病期間であり,重症であっても罹病期間の短い症例の手術成績は良好であった.高齢者の場合においても,術前に重症であっても早期に手術を行えば比較的良好な成績が期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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