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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻12号

2002年12月発行

文献概要

調査報告

腰下肢痛と腰痛関連機能,総合的健康感,および社会参加の関連―腰痛関連モデルを用いた疫学的検討

著者: 竹谷内克彰1 菊地臣一1 紺野慎一1 大谷晃司2 高橋一朗1 鈴鴨よしみ3

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科 2県立南会津病院整形外科 3パブリックヘルスリサーチセンター

ページ範囲:P.1409 - P.1417

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 抄録:腰下肢痛の治療の評価や計画に様々なアウトカム指標が用いられている.われわれは,アウトカム指標間の関係を表す腰痛関連モデルを設定し,指標の相互の関連性を明らかにするために疫学的検討を行った.総合検診を受診した816名(男性369名,女性447名,最多年代層70歳代)を対象とした.問診により,腰下肢痛の程度,機能状態,総合的健康感,社会参加,主観的幸福度,および患者の満足度について調査した.腰痛関連モデルに基づいてパス解析を行い,指標の関係を検討した.その結果,指標の相互関係は,腰痛関連モデルのパスに則していることが明らかになった.すなわち,腰痛関連モデルは,腰下肢痛のアウトカム指標間の体系的な関連を示唆するモデルであるといえる.また,総合的健康感は,疼痛の程度よりもむしろ日常の生活の機能状態と強い関連が認められた.すなわち,腰痛患者の治療にあたっては,単に痛みの軽減だけでなく,患者の生活上の障害という視点を持った医療の構築も重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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