icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻12号

2002年12月発行

文献概要

境界領域/知っておきたい

COX-2

著者: 坂本長逸1

所属機関: 1日本医科大学第3内科

ページ範囲:P.1442 - P.1443

文献購入ページに移動
【2種類のNSAID標的酵素】
 Nonsteroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs)はcyclooxygenase(COX)を抑制し,プロスタグランジン(PG)生成を抑制する結果,消炎・鎮痛作用など抗炎症作用を示すと理解されている.今日ではCOXには2種類のアイソザイムが知られている.COX-1遺伝子が,まずヒツジで1988年にクローニングされると,COX酵素レベルは細胞によって異なる調節を受けていることが様々な検討から明らかとなり,サイトカインや増殖因子によって誘導を受けるCOX遺伝子がクローニングされた.この誘導型のCOX遺伝子が,刺激に反応して誘導される4.3kbサイズのmRNAを有するCOX-2遺伝子であることが明らかにされた.COX-1が全長599個のアミノ酸からなるのに対して,COX-2は604個のアミノ酸からなる分子量68,984MWの蛋白質である.これら両遺伝子がクローニングされ,様々な検討がなされた結果,COX-1遺伝子はどの細胞にも発現するハウスキーピング遺伝子であり,COX-2遺伝子は刺激に反応して発現するimmediate early geneで,COX-2酵素が炎症反応に関与し,COX-1酵素は炎症反応というよりも発現臓器に必要な生理作用を営むものであることが示唆されている(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら