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連載 医療の国際化―開発国からの情報発信
北タイエイズ対策における国際医療協力
著者: 石田裕1
所属機関: 1国際協力事業団ミャンマーハンセン病対策・基礎保健サービス改善プロジェクト
ページ範囲:P.1450 - P.1452
文献購入ページに移動国際医療協力について,私自身の経験を元にその現場を紹介していきたい.興味のある方は読み進めていただければ幸いである.私自身は,最初から国際医療協力を専門に勉強したわけではなく,京都府立医科大学卒業後,岡山大学整形外科に入局し,岡山の国立ハンセン病療養所邑久光明園で臨床医として勤務した後,英国,インド,バングラデシュ等で,その時々に必要な機会を与えられて実地に勉強させてもらいながら今日に至ったと思っている.1991年に初めてバングラデシュに派遣されて以来,バングラデシュで7年(ハンセン病対策),タイで1年半(エイズ対策)を過ごし,現在ミャンマー(ハンセン病対策・基礎保健)でもこの仕事に従事している.バングラデシュには,日本の民間国際医療協力団体としては,比較的歴史のある日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)から派遣された.2000年からは,国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力課に移りODAの国際協力に従事するようになった.まず,タイのエイズ対策の報告から始めたいと思う.
まず,タイにおけるエイズの経過とその対策を概観したい.現在タイには,約100万人のHIV感染者がいるといわれているが,「コンドーム100%使用促進」キャンペーンをはじめとして様々な対策を駆使してエイズの感染率を押さえ込んだ数少ない国であり,日本を含めたアジア諸国としては学ぶべき点が多いと考えられる.
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