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抄録:産褥期にみられた仙骨疲労骨折例について報告する.筆者らの外来に妊娠末期・分娩直後からの仙腸関節部痛を訴えて受診した産褥期の婦人は7例(1例は他院で分娩)で,全例にMRIを施行し1例を除いて6例の仙骨に異常所見を認めた.6例とも初産,5例が経腟分娩で1例が帝王切開分娩だった.年齢は26~33歳(平均31.9歳),5例が分娩時30歳前半だった.その予後は良好で分娩後3カ月以内に症状が消失した.単純X線像では仙骨に異常は認めず,骨粗鬆症を疑わせる所見もなかった.MRIでは片側の仙骨翼にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号域がみられ,4例に骨折を認めた.骨折を認めなかった2例中1例にCTを施行,腹側皮質の破綻を確認した.発生機転は,妊娠・分娩に伴う骨盤輪不安定性が基礎となり荷重による負荷で発生し,加齢と妊娠による骨塩量低下も誘因と考えた.産褥期婦人の腰痛の原因として本疾患を考慮する必要がある.
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