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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻12号

2002年12月発行

文献概要

症例報告

足趾屈筋腱腱鞘より発生した骨外軟骨腫の1例

著者: 松本知之12 松原伸明1 山口晋司1 高祖清泰1 松島真司1 山本哲司3

所属機関: 1公立和田山病院整形外科 2現:兵庫県立総合リハビリテーションセンター整形外科 3神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1485 - P.1488

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 抄録:症例は34歳,男性.約15年前に初めて右足底部の腫脹に気付いたが,腫脹の増大傾向はなく,放置していた.2001年3月,運動後に同部の疼痛を自覚し当科受診となった.右第2趾MTP関節底側に,母指頭大の弾性硬の腫脹を認め,単純X線像で石灰化像,MRI像で筋肉と等信号の境界明瞭な陰影を認め,確定診断を兼ねて腫瘤摘出術を行った.腫瘤は屈筋腱腱鞘に由来しており,軟骨様の硬さ,白色光沢を有し,内部に多数の石灰化巣を認めた.病理組織学的所見では,腫瘍は分葉状の成熟軟骨組織よりなり,石灰化もみられた.以上より,足趾屈筋腱腱鞘より発生した骨外軟骨腫と診断した.骨外軟骨腫は比較的稀な疾患であり,病理組織学的に軟骨肉腫との鑑別が重要であり,腫瘤の大きさ,発育経過などの臨床所見を十分に把握して鑑別する必要がある.治療に関しては,癒着した腱鞘も含めて腫瘤を全摘出した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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