icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻12号

2002年12月発行

文献概要

症例報告

MRIが術後の腱走行の評価に有用であった上腕二頭筋遠位腱皮下断裂の1例

著者: 石井正悦1 蔡栄美1 薮野亘平1 辻野宏明1 山口勝之1

所属機関: 1市立貝塚病院整形外科

ページ範囲:P.1489 - P.1492

文献購入ページに移動
 抄録:症例は65歳男性.土木作業員.転倒した際近くのものにつかまろうとして右肘を強制伸展した.右肘窩部での上腕二頭筋の陥凹がみられ,筋腹は近位へ移動していた.肘の筋力は屈曲回外ともにMMT4レベルであった.MRIでは上腕二頭筋筋腹の近位移動,筋腹遠位端の鈍化,皮下出血中に遊離する索状物がみられた.上腕二頭筋遠位腱皮下断裂と診断し,受傷約4週後に手術を行った.腱は橈骨粗面から剝離し近位へ退縮していたのでこれを引き出した.前方より橈骨粗面を展開し,suture anchor設置後肘屈曲位で腱をこれに縫着した.術後肘屈曲90°でギプス固定を4週行った後可動域訓練を開始した.術後12カ月の現在,肘可動域制限もなく屈曲回外筋力もほぼ正常に回復している.術後の腱走行を評価するため撮像したMRIでは,上腕二頭筋筋腹が引き下ろされその遠位端が鋭化していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら