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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻2号

2002年02月発行

文献概要

論述

鈍的多部位外傷患者における骨折の診断遅延例の臨床的検討

著者: 鈴木卓1 河合孝誠1 森村尚登1 杉山貢1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター救命救急センター

ページ範囲:P.117 - P.121

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 抄録:鈍的多部位外傷患者のうち診断遅延となった整形外科的骨折症例の臨床的検討を行った.1999年1月より2001年1月までの間に当センターに入院した鈍的多部位外傷患者502名のうち,来院後24時間経過した時点で診断および疑うことのできなかった整形外科的骨折症例を分析.診断遅延は18例(4%)で重症度の高い多部位外傷症例が多かった.骨折部位は手部・足部の骨折(10例)が多く,このうち7例に同側近位に別の骨折を合併していた.骨折部のX線撮影は施行されていないものが9例,不適切撮影が5例,読影ミスが3例あった.また,診断遅延が不可避と考えられたものは3例(17%)であった.整形外科的骨折の診断遅延は避けられるものと避けられないものがあり,その予防としては入院後全身状態が落ち着いた早期に三次査定を行い,複数方向からX線撮影を施行しておく必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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