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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻2号

2002年02月発行

文献概要

論述

頚椎椎間板ヘルニアによる頚髄症に対する保存療法の有用性と限界―手術例との比較検討

著者: 松本守雄1 千葉一裕1 西澤隆1 中村雅也1 丸岩博文1 藤村祥一1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.129 - P.133

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 抄録:椎間板ヘルニアによる頚髄症に対する保存療法の治療成績を種々のoutcome instruments(JOAスコア,SF-36,治療に対する満足度,Zung self-rating depression scale,上肢しびれ・痛み,軸性疼痛の5段階評価)を用いて手術例と比較検討した.また,MRIにおける髄内高輝度病変や脊髄面積減少などの保存療法中の変化とそれらが治療成績に与える影響を調査した.対象は初診時JOAスコア10点以上の椎間板ヘルニアによる頚髄症例33例(保存療法15例,手術18例)であった.調査時,各評価方法で両群間に有意差を認めなかった.保存療法例のうちヘルニア非縮小例では脊髄面積減少,髄内高輝度病変残存が高頻度に認められ,臨床成績も不良となる傾向を認めた.以上より,頚髄症軽症例では保存療法で概ね手術例と遜色のない結果が期待できる.しかし,ヘルニア非縮小例で臨床症状の改善がみられず,MRI上髄内高輝度の残存や脊髄面積の減少が認められる場合は,手術療法への転換を行うべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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