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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻2号

2002年02月発行

文献概要

臨床経験

小児大腿骨頚部骨折後の骨頭壊死に対する大腿骨頭回転骨切り術の経験

著者: 伊藤錦哉13 和田郁雄1 杉村育生1 冨田浩司1 寺澤貴志1 種田陽一1 吉田行雄1 松井宣夫1 脇田郷2

所属機関: 1名古屋市立大学整形外科 2知多厚生病院整形外科 3現:知多厚生病院整形外科

ページ範囲:P.149 - P.153

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 抄録:小児の大腿骨頚部骨折は,その解剖学的特殊性から治療上,いくつかの問題点がある.また骨頭壊死など,合併症の発生率も高いとされている.今回われわれは,Delbet-Colonna Ⅰ型大腿骨頚部骨折後に発症した9歳10カ月男児の大腿骨頭壊死の症例を経験した.初期治療後のMRIでは骨頭後外側部にT1,T2強調像で高信号を呈しenhanced T1強調像で造影される領域を認め,同部は血流が十分保たれていると考えられた.本例における骨頭壊死の範囲,年齢などを考慮し,大腿骨頭回転骨切り術を施行した.術後1年を経過し,新たなcollapseの発生はなく,術前の壊死域は速やかかつ良好なリモデリングを示している.本例では小児期の大腿骨近位部の血行に重要とされるlateral epiphyseal arteryが損傷を受けたものの,初期治療後早期に大腿骨頭後外側から血行が再開したものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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