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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻2号

2002年02月発行

文献概要

臨床経験

経静脈的patient controlled analgesiaによる脊椎術後疼痛管理

著者: 松本守雄1 千葉一裕1 西澤隆1 中村雅也1 丸岩博文1 藤村祥一1 戸山芳昭1 橋口さおり2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2慶應義塾大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.159 - P.162

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 抄録:比較的侵襲の大きい脊椎手術患者30例(男17例,女13例,平均年齢51歳)の術後疼痛管理に経静脈的patient controlled analgesia(iv-PCA)を行った.使用薬剤は塩酸モルヒネで,PCA装置にはSabratek 6060を使用した.調査項目はvisual analogue scale(VAS)による疼痛評価,モルヒネ使用量,bolus投与回数,患者の満足度,副作用とした.術後24時間のVASは平均3.5±2.4であり,鎮痛効果は良好であった.モルヒネ使用量は最初の24時間で30.3±16.5mg,bolus回数は同17.8±14.4回でこれらは経時的に減少した.患者の満足度は「非常に満足」,「満足」あわせて86%であった.術後24時間のVASが6以上の除痛不良例は,開胸例,側弯症などに対する広範囲後方固定例であった.副作用は9例33%に認められ,嘔気3例,せん妄・妄想2例,眠気2例などであった.以上の結果より,iv-PCAは良好な除痛が得られ,患者の満足度も高く,比較的安全であることから,脊椎術後疼痛管理に有用な鎮痛法と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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