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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻2号

2002年02月発行

文献概要

症例報告

球麻痺により発症した上位頚椎奇形の1治験例

著者: 岩波明生1 丸岩博文1 西澤隆1 松本守雄1 千葉一裕1 藤村祥一1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.169 - P.173

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 抄録:球麻痺により発症した上位頚椎奇形の1症例を経験した.症例:42歳男性.嗄声,嚥下困難,歩行障害を主訴とした.神経学的には下顎反射の低下,嚥下障害,嗄声がみられ,筋力低下や明らかな知覚障害はないが,深部腱反射は両側ともに亢進し,病的反射も認めた.単純X線,CTにて頭蓋底陥入症,環椎後頭骨癒合症,不安定性のある環軸椎亜脱臼を認め,後頭骨の非薄化を認めた.MRIではArnold-Chiari奇形type1を認めた.CTMでは延髄は下垂した小脳扁桃により後方から,さらに歯突起により前方から圧迫を受けていた.本症例では,環椎後頭骨癒合のために環軸椎間にwiringが不可能であり,また後頭骨の非薄化と大後頭孔開放によりinstrumentとの固定性が不十分であるため,Magerl+Newmann法を選択し,良好な整復固定と神経症状の改善を得た.上位頚椎奇形に対する手術的治療では重複病変に応じた手術方法の選択が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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