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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻2号

2002年02月発行

文献概要

症例報告

人工膝関節形成術後関節血症を来した1例

著者: 後藤龍治12 八木知徳1

所属機関: 1手稲八木整形外科 2現:ごとう整形外科クリニック

ページ範囲:P.185 - P.188

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 抄録:われわれは人工膝関節形成術(以下TKA)2年後に頻回に関節血症を来し,最終的に滑膜切除を余儀なくされた1例を経験した.症例は81歳の女性.1997年10月,左変形性膝関節症に対しTKA後,順調に経過していたが,1999年11月,自宅で椅子から立ち上がろうとした際,激痛が走り,歩行不能となった.一度は保存的治療で疼痛軽減したが,12月疼痛が再発した.関節鏡検査を行ったが,明らかな出血点は認められなかった.その後,少量の血液貯留による腫脹,疼痛を繰り返したため,2000年2月,関節切開し滑膜切除を行った.膝蓋上嚢部に出血点と思われる滑膜の絨毛状肥厚が認められた.病理組織学的には肉芽組織中の毛細血管の破綻が出血の原因と推測された.原因は,塩酸チクロピジンの長期投与が血小板粘着能低下,滑膜血管の慢性的な脆弱性を引き起こし,関節血症を繰り返したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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