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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻3号

2002年03月発行

文献概要

論述

変形性股関節症が仙腸関節に与える影響

著者: 斎藤昭1 菊地臣一2 矢吹省司2 武田浩一郎2

所属機関: 1公立相馬総合病院整形外科 2福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.231 - P.236

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 抄録:変形性股関節症が仙腸関節に与える影響を明らかにすることを目的とした.対象は変形性股関節症の男性7例,女性130例の合計137例である.変形性股関節症の罹患側は,右側が46例,左側が50例,そして両側が41例であった.これらの症例に対し,仙腸関節痛,変形性股関節症の罹病期間,肥満度,出産回数,そして股関節可動域を調査した.さらに,単純X線像から仙腸関節部の骨硬化像,脚長差,および骨盤輪不安定性の有無を検討した.その結果,仙腸関節痛を認めた症例は27例(19.7%)であった.仙腸関節痛は,比較的若年者や骨盤輪不安定性を有する症例に出現しやすい.仙腸関節部の骨硬化像は78例(56.9%)に認めた.この所見は比較的若年者や変形性股関節症の罹病期間が長い症例に認めやすい.また,脚長差が大きい症例や下肢長の長い側に骨硬化像が出現しやすい.しかし,仙腸関節部の骨硬化像の存在が疼痛を直接反映するとはいえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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