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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻3号

2002年03月発行

文献概要

論述

成人の腰椎分離症・分離すべり症の保存的治療例の経過について

著者: 笠原孝一1 栗原章1 井口哲弘1 山﨑京子1 佐藤啓三1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科・勤労者腰痛センター

ページ範囲:P.237 - P.242

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 抄録:当院における30歳以上の腰椎分離症・分離すべり症に対する保存的治療例の経過について調査した.最終治療成績は,ADL上支障のないものが78.1%と良好であった.しかし,初診時にJOAスコアが10点未満で,下肢症状を有する症例は予後不良となる場合が多く,特に初診時の点数が8点未満の症例では手術に至るものが多かった.治療成績を経過から検討すると,初診後1年までは寛解率は上昇するが,それ以後は変化なく,保存的治療の限界は約1年であると考えられた.また治療法では初期からのブロック療法は有用で,寛解までの期間を短縮できる可能性が高いといえた.さらに,初診時の単純X線所見と予後の関連性の検討から,側面機能撮影で2mm以上のすべりの増強を認める症例で予後不良となる場合が多く,患者の指導や予後の予測に有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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