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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻3号

2002年03月発行

文献概要

論述

男女間における腰椎変性すべり症の臨床像の違いについて―後方除圧術例の分析

著者: 西澤隆1 千葉一裕1 中村雅也1 松本守雄1 丸岩博文1 藤村祥一1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.249 - P.255

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 抄録:1椎間の腰椎変性すべり症(以下DS)に対して後方除圧術のみを行った38例(男性18例,平均手術時年齢66.3歳;女性20例,平均手術時年齢68.3歳)の術後成績と画像所見を調査し,男女間における臨床像の違いについて比較検討した.後方除圧術後のJOAスコアの改善率は,男性群が60.8%,女性群が56.9%とおおむね良好であったが,女性群の腰痛スコアには有意な改善がみられなかった.画像所見では,男女ともすべりの進行とともに椎間高の狭小化と椎間可動域の減少が認められたが,術後のすべりの進行と最終調査時の最大すべり率は女性群で男性群より大きかった.また,女性群の骨棘形成は男性群より軽度であった.今回の分析より,DSには変形性変化の過程で生じる骨棘形成の高度なDSと,元来すべり症を発症する素因を持った骨棘形成の軽度なDSの2つのタイプが存在し,男性群には前者が,女性群には後者が多く存在することが推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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