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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻3号

2002年03月発行

文献概要

論述

L5-S1椎体骨棘による第5腰神経障害―解剖学的および臨床的検討

著者: 松本守雄1 野尻賢哉1 石川雅之1 西澤隆1 中村雅也1 丸岩博文1 千葉一裕1 戸山芳昭1 市原眞仁2 西川雄司3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2日野市立総合病院整形外科 3東京電力病院整形外科

ページ範囲:P.257 - P.262

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 抄録:Lumbosacral ligament(LSL),仙骨翼およびその周囲組織で構成されるlumbosacral tunnel内における第5腰神経の絞扼について解剖学的および臨床的に検討した.解剖学的には29体の屍体を用いて,LSLの起始・停止,骨棘の有無,lumbosacral tunnel内での狭窄の有無について調査した.LSLの起始・停止は多彩であったが,仙骨翼からL5椎体あるいは椎体・横突起に付着するものが多かった.骨棘は7体(24%)に認められ,骨棘ありの群では86%,なしの群では4.5%で狭窄を認め,前者で有意に高頻度であった.臨床例ではL5-S1椎体骨棘による第5腰神経障害の4例(男2例,女2例,平均年齢57歳)に対し,3例には後方より仙骨翼の部分切除を,1例には前方より腹腔鏡視下に骨棘切除を行い,良好な除痛が得られた.以上より,L5-S1椎体骨棘により第5腰神経障害が起こり得ることが明らかとなった.L5領域の神経障害を呈するにもかかわらず,画像上明らかな脊柱管内病変を認めない症例では鑑別診断として本症を考慮する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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