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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)

腰椎変性疾患での術前髄液内一酸化窒素と術後の痛み・しびれの改善

著者: 木村慎二12 渡辺研二3 矢尻洋一1 内山政二4 長谷川和宏1 渋木克栄5 遠藤直人1

所属機関: 1現:新潟大学医学部整形外科 2新潟労災病院整形外科 3亀田第一病院整形外科 4国立西新潟中央病院整形外科 5新潟大学脳研究所システム脳生理

ページ範囲:P.373 - P.378

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 抄録:本研究の目的は,腰椎変性疾患患者(腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症)の髄液中の一酸化窒素酸化物(亜硝酸イオンと硝酸イオン,以下NO量)濃度が,術後の痛み・しびれの改善度を推察できるかを検討するものである.NO量はGriess法を用いて測定した.6例のボランティアと18列の痛みを有しない患者のNO量をコントロール値とした.39歳以下の腰椎椎間板ヘルニア6例ではNO量は対照群に比して上昇しておらず,術後もNO量は変わらず,痛み・しびれに関係した項目のみの日整会腰椎疾患判定基準(Pain JOA)の改善率(平林法)は良好であった.一方,40歳以上の腰椎変性疾患19例の術前NO量は,対照群に比して有意に上昇しており,術後のNO量が術前に比して低下していた群は,上昇していた群よりも有意にPain JOAの改善率が良好であった.腰椎変性疾患全25例の術前NO量は,Pain JOAの改善率と有意な負の相関(r=-0.714,p<0.001)を示した.腰椎変性疾患患者のNO量は術後の痛み・しびれの改善を予知できる今までにない定量的なpredictorになりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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