文献詳細
特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
文献概要
抄録:頚椎の変性過程に生じる頚部痛の原因として神経根圧迫に注目した研究が皆無に近い.本研究の目的は,後方からの椎間孔拡大術による神経根除圧例をprospectiveに検討して,神経根性頚部痛の有無を明らかにすることにある.頚部痛の訴えがある神経根症の43例を対象とした.頚部を,項,肩甲上,肩甲骨上角,肩甲間,肩甲骨の5つの領域に区分し,頚部痛の部位と程度を術前および術後1カ月時に記録して検討した.全43例のうち39例(91%)で,術前の頚部痛が神経根除圧により術後1カ月以内に改善した.頚部痛の原因の1つに頚部神経根の圧迫があることを銘記すべきである.
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