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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)

高齢者頚椎症性脊髄症の手術的治療―手術治療選択のタイミング

著者: 田口敏彦1 河合伸也1 金子和生1 森信謙一1 藤本英明1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科

ページ範囲:P.409 - P.413

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 抄録:高齢者の頚椎症性脊髄症(以下CSM)の手術的治療のタイミングについて検討した.対象は術後2年以上経過を観察できた107例である.70歳以上の高齢者群は44例(平均74歳)であり,70歳未満の非高齢者群は63例(平均53歳)であった.検討項目として,罹病期間,術前・術後のJOAスコア,術後改善率,予測式を用いた予測と術後成績の的中率について比較検討した.高齢者は,非高齢者と比較して罹病期間に差はないが,術前重症度は有意に高く(p<0.01),症状の進行が早いため手術の時機が遅れやすいことを示した.また,改善率に差がなく,術前の重症度が高くなければ,術後獲得点数は非高齢者と同等で同程度の改善を得ていた.高齢者の手術の時機としては術前JOAスコアが9点になる前の手術が望ましく,10点以上であれば,非高齢者と同様な手術効果が期待でき,合併症について対処できれば,重症化する前の早期の手術をすべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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