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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)

脊髄誘発電位からみた70歳以上の頚椎症性脊髄症の特徴と前方除圧固定術の検討

著者: 谷俊一1 石田健司1 牛田享宏1 岸本裕樹1 川崎元敬1 井上真輔1 山本博司1

所属機関: 1高知医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.415 - P.420

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 抄録:70歳以上の索路症状を主徴とする頚椎症性脊髄症では,MRIは複数椎間に脊髄圧迫を示すことが多いが,上行性脊髄誘発電位によって示される脊髄伝導ブロックはほとんどが単椎間で,C3-4またはC4-5において93%であった。伝導ブロックを生じる脊髄圧迫の程度は個人差が大きいが,個々の症例では多くの場合,最大圧迫高位が伝導ブロック高位と一致した.伝導ブロック高位に対して行った35例の前方手術の成績は,2年以上,平均4.5年の追跡でJOAスコアの改善率は平均54%であり,2例(6%)に隣接椎間での脊髄症の再発があった.手術による下肢運動機能の改善率は,上肢のそれよりも有意に(p<0.0001)劣っていた.その要因のひとつに,腰部脊柱管狭窄症や下肢の変形性関節症の合併率が高いことが挙げられる.固定隣接椎間での脊髄症の再発が危惧されることが欠点であるが,最小侵襲であり,後方法でみられる術後神経根症や軸性疼痛の心配がない利点がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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