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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)

骨粗鬆症性椎体圧潰(偽関節)発生のリスクファクター解析

著者: 種市洋1 金田清志1 小熊忠教1 古梶正洋1

所属機関: 1美唄労災病院勤労者腰痛・脊損センター

ページ範囲:P.437 - P.442

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 抄録:骨粗鬆症性椎体骨折のなかには正常の骨折治癒が起こらず圧潰が進行し高度な後弯変形を呈したり,長管骨の偽関節と同様の極めて不安定な状態に陥る例が存在する.これらは体幹支持性喪失と神経障害のために脊柱再建術の適応となることも多いが,高齢による内科的合併症や高度骨粗鬆症のために多くの問題を抱えた病態である.本研究では骨粗鬆症性椎体骨折患者101例を対象に,進行性椎体圧潰や偽関節発生について調査した.全体の36.6%で進行性椎体圧潰を来し,最終的に13.9%が偽関節となった.神経障害の合併により手術治療が施行されたのは3.0%であった.偽関節発生の危険因子は 1)日常生活動作レベルのごく軽微な受傷機転により発生した椎体骨折,2)高齢,および 3)middle column損傷の合併であった.ハイリスク患者は通常の硬性装具を用いた保存療法では偽関節発生を予防しえず,経皮的椎体補強術(vertebroplasty)などの適切な初期治療の必要性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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