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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻4号

2002年04月発行

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)

神経栄養因子による脊髄由来神経幹細胞の分化制御―特に内因性神経栄養因子に着目して

著者: 中村雅也1 岡野栄之2 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2慶應義塾大学医学部生理学

ページ範囲:P.475 - P.480

文献概要

 抄録:神経幹細胞は多分化能と自己増殖能を有する未分化な細胞で,脊髄損傷に対する移植材料として近年注目を集めている.しかし,移植細胞の運命は移植部位の微小環境に大きく依存しており,近年明らかになった内在性神経幹細胞が脊髄損傷後に増殖,分化するがそのほとんどがグリア瘢痕組織になることからも,神経幹細胞の分化制御メカニズムの解明なくしては,有効な治療とはなり得ない.本稿では神経系の発達過程において重要な働きをする種々の神経栄養因子が,神経幹細胞,特に胎児脊髄由来神経幹細胞の分化誘導に及ぼす影響を検討した.In vitroにおける胎児脊髄由来神経幹細胞に対して,内因性cilary neurotrophic factorがastrocyteへ,外因性brain derived neurotrophic factor,neurotrophin-3がおのおのneuron,oligodendrocyteへの分化誘導に重要な働きをする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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