icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)

胸部脊髄症の神経学的高位診断の検討

著者: 後藤伸一12 佐藤哲朗3 山崎伸1 石井祐信1 笠間史夫4

所属機関: 1国立療養所西多賀病院整形外科 2現:仙北組合総合病院整形外科 3東北大学医学部整形外科 4東北労災病院整形外科

ページ範囲:P.495 - P.498

文献購入ページに移動
 抄録:胸部脊髄症にて手術を受けた単椎間障害例の中で,脊髄末端がL1~L2椎体高位にみられる成人例58例の神経学的所見(下肢の反射,筋力,感覚障害の最頭側縁)を検討し,胸部脊髄症の責任椎間板高位決定の診断指標を作成した.感覚障害は,各椎間板高位に相対する髄節をT10/11椎間より頭側では尾側椎体と同じ番号の髄節が,T11/12椎間にはL1髄節が,T12/L1椎間にはL4髄節が相対するとして,そのずれをみた.T10/11椎間より頭側(28例)ではPTR,ATRともに亢進が66%に,感覚障害は70%で尾側4髄節以内にみられた.T11/12椎間(20例)ではPTRの亢進が70%に,感覚障害は79%で頭尾側2髄節以内にみられた.T12/L1椎間(10例)ではATRの低下が70%に,感覚障害は75%で頭尾側2髄節以内にみられた.感覚障害から高位診断を行う際には,2髄節程度のずれを見込んで診断する必要がある.T11/12椎間にL1~L2髄節が,T12/L1椎間にS1髄節が相対している例が多いと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら