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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)

頚椎症性脊髄症における狭窄部硬膜圧―椎間板高位と椎体高位での圧変化

著者: 渡部泰幸1 高橋啓介1 宇南山賢二1 鳥尾哲矢1

所属機関: 1埼玉医科大学整形外科

ページ範囲:P.499 - P.502

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 抄録:頚椎症性脊髄症における脊髄への圧迫力および圧迫動態については,いまだ明らかではない.今回われわれは,狭窄部位の硬膜にかかる圧を測定し,その圧が頚椎の動きでどのように変化するか,さらに椎間板高位と椎体高位でどのような差があるのかを検討した.片開き式脊柱管拡大術を施行した頚椎症性脊髄症10例を対象とした.術中に,椎弓を展開後,C6/7の椎弓切開を行い,硬膜を露出した後に硬膜外腔に圧トランスデューサーをC5/6椎間板高位に挿入した.Mayfield型頭部固定装置をゆるめ,頚椎を愛護的に中間位,後屈位および前屈位として連続的に硬膜圧を測定した.その後,圧トランスデューサーをC5椎体高位に移動させ、同様に測定した.C5/6椎間板高位においては,全例とも頚椎後屈によって硬膜圧は上昇し,前屈では圧が低下した.しかし,C5椎体高位では,頚椎後屈および前屈でも硬膜圧の変化は認められなかった.椎間板高位においては,後屈によって黄色靱帯のたわみが生じる.この変化が硬膜圧迫力を上昇させる原因と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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