icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻5号

2002年05月発行

文献概要

シンポジウム 縮小手術への挑戦―縮小手術はどこまで可能か

緒言 フリーアクセス

著者: 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.532 - P.533

文献購入ページに移動
 四肢の悪性骨軟部腫瘍の手術,なかでも広範囲切除の考え方は,Ennekingのcompartment/barrierに代表される腫瘍切除縁の提唱により,またこれを受けた日整会骨軟部腫瘍委員会の「悪性骨軟部腫瘍取り扱い規約」の指針によって広くゆきわたり,現在に至っている.もちろんこの考え方の根本には,不適切な切除によって局所播種や局所再発,ひいては遠隔転移させてはならないという,生命予後を見据えた考えが大きく関与している.
 しかし,広範囲切除により延命・救命率が上がるにつれ,温存された患肢の機能をどれだけもとどおりにまで高めることができるか,が次の重要課題となってきた.そうしてみると,広範囲切除にともなって当然のこととして犠牲としてきた「神経・血管・骨・骨端線・関節・筋肉・腱・靱帯」などの組織の切除範囲をなんとか縮小できないものか,それは果たして許されることなのか,が学会・研究会でのホットな議論対象となってきつつ現在に至っている.そのために,安全な縮小切除縁への見直しや,縮小切除縁を確保するための集学的治療,とりわけ術前・術後の各種補助治療の重要性が再認識されるようになっている.その代表的な見解,試みが特集としてここに紹介されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら