icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻5号

2002年05月発行

文献概要

シンポジウム 縮小手術への挑戦―縮小手術はどこまで可能か

悪性骨腫瘍に対する切除縁評価と縮小手術の試み

著者: 鬼頭正士1 梅田透1 別府保男1 横山良平1 木股敬裕2 長谷川匡3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院整形外科 2国立がんセンター東病院形成外科 3国立がんセンター中央病院病理部

ページ範囲:P.535 - P.540

文献購入ページに移動
 要旨:悪性骨腫瘍の切除縁を評価し,再発率,予後を検討することにより,縮小手術の可能性と限界について考察した.対象症例は骨原発悪性腫瘍56例であり,組織診断は骨肉腫42例,軟骨肉腫5例,ユーイング肉腫例,骨悪性線維性組織球腫3例,脊索腫2例である.摘出標本の切除縁評価より,wide margin 2 cr.以上(W(2)以上群)38例と1cm以下(W(1)以下群)18例に分けて検討した.W(2)以上群で再発は3例(再発率7.9%)に認めた.一方,W(1)以下群の再発は8例(再発率44%)であったが,1例以外はいずれもmarginalやintralesional marginであることより,術前治療有効例や低悪性腫瘍ではwide margin 1cmまで切除縁の縮小が可能と考えた.W(1)以下群のうち7例は膝関節温存手術を行うため関節側の骨切除縁を意図的に縮小し,血管柄付き腓骨移植やパスツール熱処理骨を用いて再建した.予後は生存41例,死亡15例であり,死亡例のうち再発例8例,W(2)以上群7例,W(1)以下群8例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら