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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻5号

2002年05月発行

文献概要

シンポジウム 縮小手術への挑戦―縮小手術はどこまで可能か

軟部肉腫に対する動注療法

著者: 高橋満1 浜名俊彰1 宮城憲文1 山田健志1 吉田雅博1

所属機関: 1愛知県がんセンター整形外科

ページ範囲:P.557 - P.563

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 要旨:神経・血管・骨に近接する巨大な軟部肉腫症例の縮小手術を目的として,局所動注により腫瘍を限局化させたうえでの切除を試みてきた.症例は神経肉腫2例,MFH 2例,平滑筋肉腫3例,滑膜肉腫5例の計12例.いずれも抗癌剤・放射線に抵抗性とされているものである.皮下に埋没したリザーバポートよりCDDP・5-FUを3日連続投与する長時間持続動注を5例に,血管造影のたびに複数の血管を塞栓して栄養血管を一本化したうえで,CBDCA・Etoposideを4時間かけて注入する超選択的動注を7例に施行した.PRは半数以下に過ぎなかったものの,動注により近接臓器との距離が確保されたため,縮小手術が12例中10例に可能となった.本治療法は,巨大軟部肉腫に近接した重要組織を温存するための一部縮小手術を可能とする,確実性の高い術前補助治療法として位置付けられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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