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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻5号

2002年05月発行

文献概要

シンポジウム 縮小手術への挑戦―縮小手術はどこまで可能か

骨軟部肉腫の安全な切除縁と術前照射による切除縁の縮小について

著者: 櫛田和義1 村山均1 山下浩介2 亀田陽一3 密田亜希3 亀田典章4 上杉昌章5

所属機関: 1神奈川県立がんセンター骨軟部腫瘍外科 2神奈川県立がんセンター放射線治療科 3神奈川県立がんセンター病理科 4東邦大学佐倉病院病理科 5横浜市立大学医学部整形外科

ページ範囲:P.565 - P.570

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 要旨:放射線治療を併用しなかった骨軟部肉腫176例の摘出標本の切除縁評価と局所再発を調査した.今回の調査では,高悪性腫瘍でも「2cm広範切除縁」以上が確保されていれば再発は55例中2例(3.6%)と低かった.また,低悪性腫瘍では「1cm広範切除縁」以上が確保されていれば再発は38例中1例もなかった.以上より骨軟部肉腫手術においては,高悪性腫瘍では「2cm広範切除縁」以上,低悪性腫瘍では「1cm広範切除縁」以上が達成すべき切除縁であった.術前の画像評価で切除縁に危険のある症例23例に約30Gyの低線量術前照射を行った.再発は23例中1例で,「腫瘍辺縁切除縁」の殿部高悪性線維肉腫の症例であった.放射線治療を併用しなかった176例と術前照射を行った23例を局所再発率で比較すると,症例数が少なく有意差はみられなかったが,高悪性腫瘍,低悪性腫瘍とも術前照射により切除縁を一段階縮小できる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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