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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻5号

2002年05月発行

文献概要

シンポジウム 縮小手術への挑戦―縮小手術はどこまで可能か

悪性骨・軟部腫瘍における縮小手術の可能性

著者: 矢部啓夫1 森岡秀夫1 南雲剛史1 穴澤卯圭1 森井健司1 西本和正1 三浦圭子1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.579 - P.584

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 要旨:機能面の直接評価が可能な四肢に発生した悪性骨腫瘍97例,悪性軟部腫瘍172例の治療成績から縮小手術の可能性について検討した.悪性骨腫瘍は1993年以前と94年以降の症例についても比較し,骨肉腫など多くの悪性骨腫瘍は,術前化学療法を充実させることで,患肢温存例の増加,合併症の減少などから,実際に切除範囲の縮小化が進んでいることが考えられた.低悪性度の軟骨肉腫2例は,腫瘍内切除で長期の局所制御が得られており,このような症例に対しては腫瘍の骨髄内進展状態を把握していれば縮小手術が可能であると考えた.悪性軟部腫瘍172例のうち患肢温存例は152例(88.4%)であり,辺縁切除以下の51例のうち放射線照射を併用した29例では2例に再発がみられたのみであり,十分な切除縁が不可能な場合や切除によって機能面で問題が生じる場合には,手術に放射線照射を併用することで縮小手術が可能であることを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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