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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻5号

2002年05月発行

文献概要

症例報告

浅指屈筋腱が欠損し豆状三角骨関節の変性に合併した小指深指屈筋腱皮下断裂の1例

著者: 宮内晃13 今田岳男1 石田治2

所属機関: 1加計町国民健康保険病院整形外科 2広島大学医学部整形外科学教室 3現:広島市立安佐市民病院

ページ範囲:P.635 - P.638

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 抄録:小指浅指屈筋腱が欠損し,深指屈筋腱が皮下断裂した1例を経験したので報告する.症例は,両側の変形性膝関節症のため長期間杖歩行を行ってきた76歳の女性で,左小指屈曲不能のため受診した.CTでは豆状三角関節に変性を認めた.術中所見では小指浅指屈筋腱が欠損し,手根管尺側壁で有鉤骨,三角骨,豆状骨の露出と小指深指屈筋腱の断裂が認められた.断裂腱の末梢断端を環指深指屈筋腱に端側縫合した.杖歩行に伴う手掌部への慢性的刺激により小指深指屈筋腱が手根管尺側壁で摩耗され,さらに豆状三角関節の変性,手根骨の露出に伴い,屈筋腱が骨組織から直接摩擦されるようになった結果,断裂に至ったと考えられた.小指浅指屈筋腱には破格が多く,診断にあたっては注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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