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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻6号

2002年06月発行

文献概要

シンポジウム スポーツ肩障害の病態と治療

腱板不全断裂を伴う投球障害肩に対する烏口肩峰アーチ除圧術の成績

著者: 末永直樹1 三浪明男1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.697 - P.700

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 要旨:投球障害肩に対する烏口肩峰アーチ除圧術の是非については,いまだ一定の見解は得られていない.明らかな肩関節不安定性がなく腱板不全断裂を伴う投球障害肩に対し,烏口肩峰アーチ除圧術を行い2年以上経過観察可能であった28例28肩(投手10名,野手18名)を対象とし,その成績と成績を左右する因子について検討した.烏口肩峰アーチ除圧術は烏口肩峰靱帯切離術を18肩,肩峰形成術を10肩に行い,関節唇損傷は全例鏡視下切除術を行った.完全復帰は71.4%,不完全復帰は28.6%で,復帰不能例はなかった.腱板不全断裂部位および烏口肩峰アーチ除圧術の方法では差はなかったが,投手および関節唇損傷を合併した症例で成績が不良であった.成績不良の要因として潜在性の前方不安定性の存在が示唆され,今後,関節唇損傷を伴う腱板不全断裂に対しcapsular shrinkageの成績を検討する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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