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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻6号

2002年06月発行

文献概要

論述

腰椎椎間板ヘルニアによる長母趾伸筋麻痺の術後筋力回復

著者: 酒井義人1 井上喜久男1 甲山篤1 夏目徹1 筒井求1

所属機関: 1県西部浜松医療センター整形外科

ページ範囲:P.703 - P.707

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 抄録:MMT2以下の高度な長母趾伸筋(以下,EHL)麻痺を伴う腰椎椎間板ヘルニア手術44例の術後の筋力回復について検討した.回復に影響する因子を評価するとともに,前𦙾骨筋(以下,TA)の麻痺の有無,術前の下肢痛の程度についても検討した.MMT2以下のTAの麻痺,すなわち下垂足を伴うものは23例(52.3%)にみられ,保存治療後に疼痛がほとんど消失していたものは19例(43.2%)であった.全体のEHLの回復率は70.8%とまずまず良好であったが,術後MMT4以上を回復とすると,術前の麻痺の程度がより高度な例で回復が不良であり,年齢.罹病期間は影響していなかった.下垂足を伴うもののEHLの回復は,伴わないものと比べ有意に不良であった.また,術前に下肢痛がほとんど消失した症例では術後のEHLの回復は不良であり,麻痺の回復を目的とした場合は早期の手術治療を考慮すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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