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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻6号

2002年06月発行

文献概要

整形外科/知ってるつもり

エストロゲンおよびオステオプロテジェリンと骨粗鬆症のup to date

著者: 太田博明1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.726 - P.730

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【はじめに】
 骨粗鬆症は原因疾患のない原発性と原因疾患のある続発性に大別される.前者の原発性は,ごく一部に若年性の,いわゆる特発的なものがあるが,大部分は閉経後骨粗鬆症と老人性骨粗鬆症であり,両者を退行性骨粗鬆症と呼んでいる.骨粗鬆症診療において,続発性のものには原因疾患の治療が優先されるため,合併症である骨粗鬆症の治療は二義的なものとなっている.したがって,通常最も問題とされるものは原発性,つまり退行性のものである.また,各種疾患には生殖器関連の疾患を除いて性差が存在するものがあるが,そのような疾患としてよく高脂血症や高血圧症が挙げられる.この両者よりもさらに性差が明らかに存在する疾患が骨粗鬆症であり,なかでも通常の診療において最も問題とされるのは閉経後骨粗鬆症である.すなわち,閉経後骨粗鬆症はほとんど女性であるといっても過言ではないほど,最も性差の明らかな疾患である.
 この閉経後骨粗鬆症の主因は女性ホルモンであるエストロゲンの低下に伴う骨吸収の異常亢進にあり,それを骨形成が十分に代償できないことから骨量の低下を招くことにある.したがって,この閉経後骨粗鬆症を呈するものは必然的にXXという性染色体を有する卵巣を持ち,卵胞からエストロゲンを産生する女性ということになる.しかしエストロゲンの低下が骨吸収の亢進を呈するメカニズムについては現時点でも必ずしもまだ明確に解明されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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