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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻6号

2002年06月発行

文献概要

症例報告

頭蓋頚椎移行部における脊髄損傷―2例報告

著者: 矢吹省司1 菊地臣一1 高須誠2 古月顕宗2

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科 2会津中央病院整形外科

ページ範囲:P.763 - P.766

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 抄録:頭蓋頚椎移行部の脊髄損傷では死亡例が多いため,その高位の脊髄損傷によって発現する症状や他覚所見は不明な点が多い.今回,頭蓋頚椎移行部の脊髄損傷の2例を経験したので,その症状と他覚所見を中心に報告する.症例1は24歳の女性である.スノーボードで滑走中に,木に激突して受傷した.環椎後頭関節の前方,垂直脱臼に伴う脊髄損傷であった.受傷直後は自発呼吸が認められた.症例2は76歳の女性である.交通事故で受傷した.Os odontoideumに伴う環軸関節不安定症が存在したところに,外傷が加わって発症した脊髄損傷であった.耳介後部から後頭部,下顎部の異常知覚のみが認められた.頭蓋頚椎移行部の脊髄損傷には意識障害や他臓器損傷を合併することが多く,見逃される可能性が高い.この高位での脊髄損傷による特徴的な知覚障害の存在は,高位の脊髄損傷の診断に役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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